イヴォンシュイナードの「社員をサーフィンに行かせよう」を読んだのは確か二十代前半。
その頃は、サーフボードの販売員をしながら海外生活を企んでいた時期。
オーストラリアへ渡ったのが二十四歳の時なので、今思うと本の影響が少しはあったかもしれない。
話は変わるが、ハワイやオーストラリアでよく目にする光景がある。
夕方になると子供をのせた車がビーチにやってきて、親は(だいたい母親)子供とサーフボードを車から下ろして去っていく。
「2時間後に迎えにくるから」といった調子で。
ハワイの子供たちは公園の遊具で遊ぶ代わりに海でサーフィンを楽しむ。
大人にまじって自分の背の2倍以上ある波に挑む子もいれば、ショアブレイク(崩れた波)で練習する子たちもいる。
皆、自分の技量にあった波のサイズを選んでそれぞれサーフィンを楽しむ。
サーフィンは体力や瞬発力、体幹が鍛えられるのはもちろんだが、何より学校では教えてくれないが多くのことを学べる。
海の上では世代や国境を超えた交流があり、「今日の波はどう?」のような会話が他人であっても自然に繰り広げられている。
もちろん年齢は関係ない。それらは子供にとってコミュニケーション能力の向上に繋がる。
さらに毎日のように海に入っていると自然の偉大さを痛感する。
水や風の心地よさ、陽の暖かさを肌で感じ、自然の気持ちよさに包まれることもあれば、カレント(離岸流)で流されたり、大きな波にのまれることにより自然の恐怖を感じることもある。
それらの経験から自然に対する畏敬の念を持つようになる。
日常的に、他人とのコミュニケーションや自然の変化を体感できるスポーツはサーフィン以外にあまりない。
しかし、日本のサーフィン文化は(地域によりますが)コミュニケーションの部分が極めて欠けているので、もし「子供をサーフィンに行かせる」なら場所や地域を選んだ方がいいかもしれません。一歩間違うと逆効果になります。
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